5−6 調査結果

<現地調査データの品質>(図5−4−3−1図5−4−3−6

(1)比較的ノイズの少ない分解能の高いデータ取得がなされた。

(2)最大オフセット約1.4kmまでの屈折初動が確認できた。

(3)反射波については、浅部から反射走時 0.5〜1秒程度(深度約500〜1000m)までは確認できるが、それ以深についての現場記録からは明確でなかった。

<表層構造>(図5−5−3

(1)浅内沼測線の表層基底層の速度は1,600〜1,800 m/secで緩やかに変化し測線の中央部で約1,800m/secであり、測線の両端では約1,600m/secである。

(2)表層基底層の形状はかなり複雑な変化をしている。測線の西端の丘陵部では表層が厚く約50mであるが、標高の減少と共に表層厚も薄くなり、水田部分では約25mとなる。国道7号線を越えて東側の丘陵部に入ると再び表層は厚くなり、約40mとなる。CDP No.520〜560付近で、局所的に表層が薄くなっている。

<反射断面図>(図5−5−4図5−5−6図5−5−7図5−5−8

(1)浅内沼測線のマイグレーション断面図(図5−5−7)を参照すると、地表から1秒付近まで高分解能の良質な断面図が得られていることが確認できる。

(2)深部の1.2秒以深には明確な反射面が確認できないが、複雑な深部構造が予想される一方、今回用いた震源(ミニバイブロサイス)のエネルギがやや不足していた可能性も考えられる。

(3)重合速度の分布(0.5〜1秒前後)は、CDP No.500付近を境に東側ではやや速く(1秒付近で約2,200m/sec)、西側ではやや遅くなる(1秒付近で約1,900m/sec)傾向が確認された。

(4)八郎潟北岸の再解析測線については、既往処理結果(図5−5−5)と再解析結果(図5−5−6)を参照すると、再解析により浅部構造についてより分解能の高い断面図が得られていることが確認できる。

<反射断面図の解釈例>(図5−5−9図5−5−10

(1)今年度測線(浅内沼測線)の解釈は、CDP No.100の北方約200mの既存坑井「黒岡 SK−1」(深度2106m、坑口標高31m、石油資源開発梶C1957)、およびCDP No.450の北方約300mの既存坑井「福田AK−1」(深度2202m 坑口標高24m、秋田県・石油資源開発梶C1970)のデータを参考にした。

(2再解析測線(八郎潟北岸測線)の解釈は、測線の東端付近CDP No.10の北方約500mの既存坑井「鵜川SK−1」(深度1000m、坑口標高3m、石油資源開発梶C1957)のデータを参考にした。