3−3 反射法地震探査解析結果

図3−3−1図3−3−2図3−3−3図3−3−4に、最終的な結果である以下の4種類の反射断面図を示す。

・重合時間断面図

・マイグレーション後時間断面図

・深度断面図

・深度断面図(カラー表示)

反射断面の地質学的な解釈は後述するが、ここでは、時間断面探査結果から直接得られた時間断面(図3−3−1参照)について考察を行った。

図3−3−1において、測線北端の0.2msecから南端の0.5msecにかけての、これより浅い部分では、連続性の良い反射面が見られる。その最浅部のものは北端から南端にかけて、おおむね0.05〜0.1msec程度の往復走時時間に位置する。また、CDP500付近より南では連続性が良く、強い反射面が数枚成層しているのが見られ、これらはごく緩く南に傾斜している。

測線中央部(CDP400〜700付近)の0.3〜0.5msecには、窪みを示す反射面の上に比較的連続する数枚の反射面が見られるが、これらのその下の窪んだ形状を示す、連続性のあまり良くない反射面にアバットしているように見える。この反射面は、測線北端の0.25msecから南端の0.55msecにかけて、不明瞭ながら追跡できる。なお、CDP20、0.3msec付近に見られる北傾斜の短いイベントについては、次のように考察した。一般に、低角な断層などは、そのすべり面が反射面となって観測されることもある。しかし、今回の様に測線の北端で、かつ、かなりの北傾斜を有する反射パターンは、発震点と受振点の位置関係を考慮すると幾何学的に捉えることは不可能である。したがって、この反射イベントは何らかのノイズであると考えられる。

図3−3−1の上部には、P波の速度解析結果をCDP番号で50または100単位毎に表示している。CDP番号200付近から北側は、読みとれる反射イベントが少ないため解析ポイントも少なくなっている。各点における解析結果から、以下のことが言える。

・地表から最初の反射イベント間(0.06〜0.08msec)の区間速度は1,400m/secと安定している。

・CDP350から北側は、地表から区間速度が1,400/sec、次に約2,100m/secであるが、それより以深は4,100〜4,300m/secと倍増しているのに対し、CDP400から南側は、1,700〜2,800m/secの速度の遅い層が数枚ある結果となっている。

図3−3−2図3−3−1にマイグレーション処理を施して、傾斜した反射面からの反射波が適正な位置くるよう補正したものである。図3−3−2では反射イベントの強さや連続性が向上している。

図3−3−3図3−3−2を深度変換したもの、図3−3−4はそれをカラー表示したものである。カラー表示は、反射波の振幅の大きさを視覚化したもので、正の振幅を赤、負の振幅を青で示し、色合いはその振幅値の大きさを反映している。