3−2−1 調査測線概況

測線は、宮城野区岩切を起点とし(北端を受振点番号RP1とする)、名取市小塚原(受振点番号RP612)に至る国道、各市町村道、農道に沿って設定された。測線には車両の通行ノイズの激しい場所が含まれたが、できるだけ路地裏などに受振器ラインを迂回することでデータ品質の低下を抑制した。各受振点についての周辺環境、ノイズレベル、受振器設置状況については以下のとおりである。

RP1からRP120までの区間は、宮城野区岩切からJR仙石線の横断箇所北側までにあたり、仙台市街地北東部の水田地帯である。道幅は4m程度の市町村道であるが、比較的しっかりと舗装されている。抜け道として利用されているようで、平日は通行車両が多い。またRP70からRP110の区間は造成工事、道路工事を行っており、測線を迂回せざるを得なかった。また工事現場に土砂を運ぶダンプが通行するため、ノイズレベルは高い。

RP121からRP270までの区間は、仙台市東部の市街地である(宮城野区扇町〜若林区卸町、六丁の目東町)。片側2車線、中央に植樹帯のある広い道路であるが、交通量は多い。周囲は住居は少なく、主に工場、事務所である。測線と交差する東西道路は仙台中心部へ向かう県道であるため、交通量がさらに多く、幅も広いため、ノイズレベルは高い。交差点の前後は発震できないため、標準の100m 間隔での発震は難しい。また地面が軟弱であるためか、大型車両が段差を通過するたびに地面が揺れる。

RP271からRP300までの区間は、若林区小荒井、新屋敷にあたり、仙台市東部市街地の南側にあたり住宅地が多くなってくる。このため北部ほどは大型車両の通行は多くないものの、乗用車の量は多い。

RP301からRP426までの区間は、測線中央部付近の水田地帯である。農道上に測線を設置しているため、交通量は少なく、ノイズレベルは低い。ただし道が細く、舗装が悪いため、バイブロサイスのhigh forceでの発震は難しい。しかしながら測線と直交する市道、農道のいくつかは砂利敷や比較的しっかりとした舗装がしてあるため、そのような箇所でforce outで発震可能である。

RP427からRP511までの区間は、仙台南部道路、仙台東部道路に囲まれた民家の点在する水田地帯である。北西−南東方向に県道が走っており、交通量は多いが、それ以外の箇所は静かである。農道は道幅が細く舗装も弱いため、force outを上げることはできない。RP488からRP511までは高速道路の側道になっており、県道とともに舗装がしっかりとしているため、force outをあげて発震することは可能である。

RP512からRP534までの区間は名取川横断箇所であり、この区間は無線でデータを中継するため、受振器は設置できない。

RP535からRP612までの区間は名取川南側の名取市小塚原にあたる(高速道路の側道の一部分が仙台市太白区にかかる)。名取IC があるため、横断する県道では交通量が激しい。RP535からRP562までは仙台東部道路の側道に沿って受振器を設置した。また高速道路の側道下には石油資源開発(株)のパイプラインが入っているため、オフセット発震となっている。