3−4 NMO補正と速度解析

1NMO補正
 NMO補正とは、オフセットの違いによる走時のずれをゼロオフセットの記録に補正するものである。通常、直線の波線を仮定した下記の方法で行う。
 地下構造が水平2層でオフセットがXの時、第1層下端から反射して受震点に到達する波の走時は、

    t = 4t +  (X/V

となる。ここで、

          t = 2Z/V

                   V ;波の伝播速度
                   X ;発震点と受震点の距離
                   t ;ゼロオフセットの走時

NMO補正における波線の考え方

多層構造の地層の場合も、オフセットXに比べ反射面深度が十分に大きければ、

             Tn(X) = Tn(0) + (X/V

と近似できる。ここでVはRMS速度と呼ばれるもので、第1層の速度をVi、第i層の鉛直走時をΔtiとするとき、

                    n

              V = Σ  ViΔti/Tn(0)

                   i=1 と定義される。

2速度解析
 速度解析で得られる速度値は重合速度と呼ばれ、地層がほぼ水平の場合には近似的にRMS速度に等しいと見なされている。速度解析は次の手順で行った。
 a.推定される重合速度の範囲内で、120種の速度を等分に仮定する。
 b.各速度でNMO補正を行い、オフセットによらず反射波が同じ時刻に並ぶ速度と時間を求める。
 c.CMPアンサンブルのデータを定速度でNMO補正した後に、
   イ.狭い時間ゲート内でのトレース間の相関(センブランス)を求める。<速度スペクトル法>
   ロ.全てのトレースを加算して1本のトレースとする。<C.V.S法>
 の方法で整理する。
 d.上記の方法を全記録に適用する。ただし、データ量が多大となるため直接図化せずに、CMPごとに自動ピッキングした後にこの結果を所望のCMP範囲で図化し、これを用いて重合速度を決定する。

 図−9に速度解析結果例を、また巻末に各測線の速度解析結果を示す。図中○印は上記のイ.×印はロ.で求めた結果である。印の大きさは、センブランスあるいはパワーの大きさを示している。