(1)使用したシステムと補間方法

三次元地質構造モデルの作成は地形・地質モデリング・マッピングシステム「VULCAN(ヴァルカン)」を用いて行った。VULCANはパーソナルコンピュータで動作し、GUI(Graphical User Interface)により画面内の仮想3次元空間において視覚的な操作が可能なシステムである。VULCANでは、ボーリング地点における地層境界のような離散的なデータを用いてBicubic Spline関数による3次元の空間補間を行い、格子面データとして地層面の形状をモデル化する。格子の大きさは、地震動解析モデルのメッシュサイズ(250m)を考慮してその半分の125mとした。

モデル作成に使用したデータ点は既存ボーリングによる地層境界である。図5−2−2−1は特定の地層の下限境界をデータ点として抽出する事例を示す。同図では評価対象地層の下限として4つのデータ点が抽出されており、この4点が空間補間に使用される。実際にボーリングデータを使用して中部礫層の下限面の空間補間を行った事例を図5−2−2−2に示す。

実際のモデル作成にあたっては、ボーリングデータだけから地質学的に整合性のある地層面をモデル化することは難しいため、適宜ダミー点を加えてモデルの調整を行った。

 なお、地形面に関しては後述するように空間補間は行わずに50mメッシュの国土数値地図をそのまま使用した。