4−2−1 物理検層の概要

物理検層は、ボーリング孔沿いの地盤の物性を計測する調査手法であり、孔中に挿入するゾンデの種類に応じてさまざまな地盤情報を取得することができる。本検層は、千秋橋近傍で掘削された深層ボーリング(掘進長500m)を利用し、以下の5種類の物理検層を実施した。表4−2−1−1に測定数量を示す。

以下に各項目の概要と目的をまとめる。

・キャリパー検層

ボーリング孔の孔径を深度方向に連続的に計測する。崩壊性の地層など地盤の弱部の判断の他、孔径は電気検層や密度検層など他の検層データに大きな影響を与えるため、すべての検層解析の基礎データとして用いる。また、孔内計測作業では孔壁崩壊によるゾンデの抑留の危険が伴うため、他の検層種目を実施する前にキャリパー検層を実施することによりゾンデ抑留事故のリスクを低減する。

・電気検層

地盤の比抵抗(電気の流れにくさ=電導度の逆数)を深度方向に連続的に計測する。地盤の比抵抗は、主として地盤の間隙率と地下水の比抵抗によって決定される。地下水の水質が一定の場合は間隙率と地盤の比抵抗との間には負の相関があり、間隙率が一定の場合は地下水比抵抗と地盤の比抵抗には正の相関がある。

・密度検層

地盤の密度を深度方向に連続的に計測する。地盤の密度と地盤を構成する粒子の密度がわかれば地盤の間隙率を計算することができる。

・速度検層

地盤を地震波が伝播する速度を計測する。地震波のうちP波(縦波)とS波(横波)の伝播速度を計測することによって、地盤のポアソン比を算出できる。また、密度値がわかれば、地盤の剛性率、ヤング率を求めることができる。また、地震防災上、地盤の地震波速度の情報は不可欠であり、地震動のシミュレーション、耐震設計等に用いられる。

・自然放射能検層

地盤中に自然状態で含まれている放射性物質によるガンマ線強度を連続的に計測する。地盤を構成する物質により放射性物質の含有量が決まるため、同じ地層の同定に用いることができる。また、ガンマ線源となるカリウム40は粘土鉱物に多く含まれるため、ガンマ線強度により粘土分の含有率を推定することが行われる。