5−4−3 観測から得られた分散曲線

図5−16、図5−17図5−18に各観測点の統合前の分散曲線を示す。

図5−16 統合前解析分散曲線(K1)

図5−17 統合前解析分散曲線(K2)

図5−18 統合前解析分散曲線(K3)

図5−19に各観測点における統合した分散曲線を一つにまとめたものを示す。各観測点の分散曲線の傾向は周期0.5秒から2.0秒付近までは、それぞれほぼ同じである。周期2.0秒から長周期側では観測点K3が他の2観測点よりも位相速度が0.5km/sから1.0km/s速くなっている。観測点K1とK2では周期3.5秒付近から長周期側ではほぼ同じだが、2.0秒から3.5秒付近では観測点K1の位相速度が約0.5km/s速くなっている。

以上のことから各観測点の分散曲線の傾向から、

・浅層部のS波速度構造は3観測点ほぼ同じである。

・中深度部では、観測点K3が最も浅く、観測点K1、観測点K2の順に深くなる。また、観測点K3の中深部層の層厚が観測点K1及び観測点K2より厚くなる。

・大深度部では、観測点K3が浅く、観測点K1と観測点K2はほぼ同じ深度になる。また、観測点K3の中深度層の層厚により、観測点K3の大深度部は観測点K1及び観測点K2よりも深くなる。

と推定できる。

図5−19 解析分散曲線