5−4−1 スペクトル

図5−9図5−10図5−11に各観測点におけるパワースペクトル、図5−12に全観測点の相乗平均

パワースペクトルを示す。

図5−9 平均パワースペクトル(K1)

図5−10 平均パワースペクトル(K2)

図5−11 平均パワースペクトル(K3)

観測点K1のパワースペクトルは、地震計No.8が他の地震計のものと比較するとパワーレベルが低い。また、2Hz付近のピークが現れていない点が大きく異なる。地震計No.8は、中道町の東山と米倉山の間の谷間に設置したため、地下構造の影響でパワーが低下したことが考えられる。

観測点K2のパワースペクトルは、10台の地震計のスペクトルはほぼ揃っている。

観測点K3のパワースペクトルは、地震計No.9のスペクトルが他の地震計のものと比較するとパワーが卓越している。地震計No.9は、幹線道路のコンクリート舗装の歩道上に設置し、設置環境には問題ないので、局地的な地下構造の影響によりパワーが卓越したと考えられる。

図5−12 相乗平均パワースペクトル

図5−12から、観測点K1と観測点K2は共に0.33Hz付近(周期3秒)、観測点K3は特徴的ではないが0.2Hz付近(周期5秒)が卓越している。スペクトルカーブのパターンから、0.2Hzより低周波数側では3観測点は同じであるが、観測点K1と観測点K2の1Hz付近からパワーが急激に増加して0.33Hz付近をピークにパワーが低下するパターンが観測点K3にはなく、1Hzから0.2Hzにかけて漸増し0.2Hz付近でピークとなっていることから、観測点K3は0.33Hz付近が卓越しないような地下構造になっていることが考えられる。

観測点K1及び観測点K2は釜無川の東側、観測点K3は西側に位置する観測点であることから、今回得られたパワースペクトルの特徴から、釜無川を挟んで西側と東側で地下構造が異なることが考えられる。