5−3−1 前処理

先の(5.2.3)の作業手順の項で述べたようにデータ取得のサンプリングは100Hzで行われている。ただし,データ解析の際にデータのサンプリングを10Hzにリサンプリングした。解析の前処理として,まずデータセットを作成する。データセットの作成にあたっては,後で述べるスペクトル解析を行う際に,分散が小さく精度の良いスペクトル推定量を得るために,用いる全データ長を,可能な限り多くの小区間(以後,ブロックと呼ぶ)に分割する。その際,車両や工場振動などに起因すると考えられる時間的に非定常なノイズ部分に対して必要に応じてフィルター処理などを行いデータセットの品質を向上させる。また,長周期成分の微動解析にあたっては,場合によっては解析者の判断で,ブロック長を倍にするなどの区間長の変更を行い,ブロック内に含まれる波数を増やすことにより,解析精度の向上に努めることも必要となる。