(3)ボーリングデータからモデル地盤への生成ルールについて

1本のボーリングデータから1つのモデル地盤を生成しますが、これはシステムで自動的に行います。ただし、生成した結果はユーザーが自由に修正できるものとします。したがって、N本のボーリングを選択した場合は、Nケースのモデル地盤を自動的に生成する事になります。

土研の地盤応答計算システム(以下、現システムという)におけるモデル地盤の生成ルールについては参考資料のモデル地盤の生成手順その1〜その5に示します。

この中で以下の項目については、現システムの方法に準拠します。

・ N値からVsへの換算方法

・ 基盤層の設定方法(ただし、最下層を基盤層にする機能も追加します)

・ 単位体積重量やひずみ曲線などの物性値と土質区分との対応方法

層の区分方法については下記に当社の提案を示しますが、現システムの方法に変更しても構いません。変更する大きな理由は層区分数が99までという制限があり、深部データのモデル化する際には、この制限値が寄与する事が予想されるからです。

当社が提案する地盤モデルの生成ルール以下のとおりです。

@ SHAKEの計算に必要なVs(せん断波速度)をN値から換算する換算式は、道路橋示方書形式と、石油パイプライン技術基準のどちらかを使用します。どちらを使用するかはユーザーが設定します。(参考資料、モデル地盤の生成手順その1参照)

A 層の設定は、地盤情報の層をまずは優先します。工学基盤面は現システムの2つの方法に加えて、最下層の下面も工学基盤面とできるようにします。

B 最小層厚=ボーリング長(地表〜工学基盤面)÷99を計算します。

C 各層の厚さ<最小層厚 なら、層厚の小さい(薄い層)から順に下層と統合していき、層厚が最小層厚以上になった時点で設定を終了します。この処理を全層で最小層厚以上になるまで繰り返します。図1−3

D 層厚の最も厚い層と薄い層を比較し、10倍の差がある時は、最も厚い層を5等分します。5等分した時の層の土質区分(砂OR粘土)はすべて同一のものを割り当てます。この処理を全層について行い、全層の最小層厚と最大層厚の比が10倍以内になるようにします。図1−4

E CとDの処理を繰り返して条件を満足すればFに行きます

F 決定した層とN値(深度)とを比較して、各層の換算N値を次のように算定します。

図1−5

G 各層の換算N値をVsに換算します。Vsへの換算式は道路橋示方書形式と、石油パイプライン技術基準のどちらかを使用します。

H 各層の物性値(単位体積重量、適用するひずみ曲線)を土質区分を元に設定します。

以上のルールでモデル化を行います。