3−4 検討課題

今回の調査で,東京都内で微動アレイ探査が有効と判断されたこと及び,東京都周辺では概ね5〜10km間隔で微動アレイ探査が実施されているのに比べ,東京都区内では観測点密度が疎であることから,今後,基盤深度が深いと推定され,基盤深度に関するデータがない地域で,追加の微動アレイ探査を行い,面的な基盤の深度情報を得ることは,地下構造モデル作成に必要不可欠である。

また,今回東京都周辺で実施された微動アレイ探査資料を収集・検討したが,実施機関が異なると,近傍の観測点における調査結果でも,対応関係に差異が見られる観測点が存在した。これらを統一的に扱うためには,調査機関によるS波速度構造の構成に対する考え方の違い,解析の際の仮定や用いている先験情報の違いを調整,または再解析が必要であると考えられる。

地下構造モデルの作成に当たっては,追加調査を行うとともに,近隣の神奈川県,埼玉県,千葉県等による反射法地震探査結果,その他,地下地質に関する情報をより広範囲に取り入れた総合的な解析が必要である。