(6)埼玉県川口市における調査

東京都足立区から埼玉県川口市にかけて東京都による3観測点(T01〜T03)と埼玉県によるSK2観測点(S51)の調査が行われている。これらを対象比較したものを図3−2−2−4上図に示す。(T01) 〜(T03)観測点は,約3kmの範囲で,ほぼ直線状に等間隔で配置されており,観測点間隔は約1.5kmとなる。また,(S51)観測点は(T02)観測点と(T03)観測点の中間付近にある。 (T01〜T03)は6層モデル,(S34)は10層モデルであり,(T01〜T03)では三浦層群相当層,基盤層を各1層としているのに対して,(S34)では,各3層に設定している。基盤深度は中央部のT02観測点が他の観測点に比べて浅く解析されている。観測点間隔から考えると基盤深度の構造変化が大きい印象も受けるが,東京都(1996)によると,上総層群と三浦層群との境界深度に関して,近傍で実施された反射法結果を参照しているとのことである。(S51)観測点は,基盤深度は(T02),上総層群基底深度は(T03)と整合性が見られ,(T02),(T03)の中間的な構造を示しているとも考えられる。ただし,本観測点に限定すれば,(S51)における上総層群相当層基底を1層下の第5層基底と解釈したほうが,深度に関しては東京都の調査結果と,より整合的となる。

S波速度,境界深度を参照すると,微動モデル層は,概ね以下のように対応すると考えられる。 表7参照