4−1−5 平成16年のモデリング

平成16年度反射法地震探査から得られた地震基盤面の位置(深度)を,平成15年度に作成した「S波速度層の地層区分と同一速度層区分」断面(東西断面,南北断面)と比較・検討したところ,平成16年度反射法地震探査測線に比較的近い微動点(No.15,No.16,No.17,No.26,No.29,No.30)の平成15年度の微動解析結果,とくに第6層と第7層の境界深度(第7層は地震基盤)が,反射法地震探査結果にくらべて浅すぎると判断された。これらの観測点の第6層と第7層の境界深度は,平成15年では拘束していなかったが,平成16年度反射法地震探査結果や重力線(ブーゲー重力異常)の分布傾向を参考にして,平成15年度解析結果よりも深い深度で拘束することとした。

また,第四系基底深度の拘束を全観測点に適用した。拘束条件は,平成16年度反射測線近傍のNo.29,No.30の深度の拘束をやや深めに変えた他は,平成15年度と同じとした。したがって,平成15年度と同様に,ほとんどの観測点で第1層と第2層の境界深度または第2層と第3層の境界深度に対し拘束することとなった。

当別層(西野層)基底深度の拘束は,No.25を除く全観測点に適用した。拘束条件は平成15年度と同じであり,ほとんどの観測点で第3層と第4層の境界深度または第4層と第5層の境界深度に対し拘束することとなった。

このような拘束条件を与え,再度,最小二乗法を用いた全観測点(35地点)同時解析を行った。層数,初期モデルは平成15年度調査と同じものとした。

観測点位置図を図4−1−1に示すとともに,全観測点(35地点)の解析結果を図4−1−2−1図4−1−2−2図4−1−2−3図4−1−2−4に示す。

一部の観測点の低周波数側で,理論位相速度と観測位相速度に多少ずれが見られるものの,全体的には,理論位相速度は観測位相速度を平成15年度と同程度に説明できている。