6−7 まとめ

・5観測点で微動アレー探査を実施した。

・平成14年度に実施した微動アレー探査の解析結果を参照して,アレーサイズの検討を行い,本年度は二重正三角形アレーで測定を行った。アレー半径は100m(小アレー),300m(中アレー)及び800m(大アレー)とした。二重正三角形アレーとした理由には,三重正三角形アレーよりも好条件の観測点位置を確保しやすいという利点もあった。

・観測点を比較的ノイズ条件が良好な場所に設定できたので,観測は基本的に昼間に実施した。そのため,観測点により交通ノイズの状況などの条件が異なるものの,概ね良好な記録が取得できた。

・解析で得られた位相速度から,個体群探索分岐型遺伝的アルゴリズム(fGA)を用いて,平成14年度調査結果に新観測点を追加する形で,各観測点におけるS波速度構造を推定し,観測位相速度を概ね説明できるモデルが得られた。

・これまでに明らかとなった地下構造調査結果を先験的情報として取り扱い,平成15年度までに実施した計35観測点の微動アレー結果を同時解析してS波速度構造を求めた。その結果,観測位相速度を概ね説明でき,かつ先験情報を満足するS波速度構造が得られた。