以上のように基盤上面その他の等深度線図を作成したが，前述したように，反射法探査結果と微動アレー探査結果は概ね整合的であったが，部分的には合わないところもある。また，微動観測点の比較的近くに位置する既存ボーリングデータとは深度が合っていないところもある。

この原因としては，

�@　微動アレー探査における解析上の問題

�A　反射断面における地質解釈上の問題

などが考えられる。

�@については，反射法探査結果を基準にして，感度分析による考察や第５層の厚さや速度を変化させる解析も行った。ただし，第１層〜第４層についてまでの検討はできなかった。最適モデルの作成については，来年度も実施予定の反射法探査の結果を待って，再検討する予定である。また，今回は，ほぼ同じＳ波速度を示している層を全調査地域で対応させるのではなく，場合によっては速度の異なる複数の層にまたがるようにして反射法から得られた地層に対比させたが，これに関連する解析時の探索範囲の設定などについては来年度検討を行う必要がある。

�Aについては，調査地域内には深部までのボーリングデータが得られていないため，反射断面の地質解釈にはまだ検討する余地が残っていると考えられるので，既存のボーリングデータを統一的な視点で見直し，浅部から確実な地質解釈を行っていく必要がある。