5−1−3 屈折法地震探査の概要

屈折法探査とは,地層の境界面に沿って伝播する屈折波の走時から,地下の速度構造を解析する弾性波探査法である。一般に,図5−1−3のように弾性波速度の異なる地層が接している場合,弾性波はその境界面で屈折して伝播方向が変化する(反射法で述べたように,入射した弾性波エネルギーの一部は,境界面で反射する)。特に,弾性波が速度の小さな上層から速度の大きい下層に入射する場合,入射した弾性波が下層の速度で地層境界面に沿って伝播する現象が起こる。その入射角は臨界角と呼ばれ,上層と下層の速度から一意的に決まる。

屈折法探査とはこのような屈折波を地表に並べた多数の受振器(小型地震計)で測定し,その初動走時とオフセット距離の関係から地下の速度構造を解析する手法である。