2−7−1 地質

・調査地域の地下には,第四系,新第三系の当別層(西野層),望来層・盤の沢層・厚田層(小樽内川層),奔須部都層(白井川層),定山渓層群および先第三系が分布するものと推定される。

・札幌市街周辺の表層地質は,平野部は第四系が被覆し,南西側山地部には更新統−鮮新統の火山岩類,中新統の併入岩類,上部〜中部中新統の地層が分布しており,下部中新統より古い地層は分布していない。

・札幌市およびその周辺の新第三系には,いくつかの向斜および背斜構造が認められ,かなり複雑な構造になっていると想定される。

・先第三系は当別町付近では深度2,000m〜3,000mに認められる。札幌市域では西側の山地付近を除くと,先第三系は深度5,000m以深にあると推定されるが,深度2,000mまでしか検討されておらず,詳細は不明である。

・札幌市西部の山地と平野の境界付近については,地質図では(活)断層,活構造などを図示していない。一方,山地と平野の境界部は,層序の急変などの問題点が指摘されているが,詳細な検討はなされていない。

・材木沢層・裏の沢層基底≒第四系基底面には,豊平川右岸にほぼN−S方向に伸長した盆状構造(向斜構造)が認められる。最深部は,江別市と当別町の中間付近(石狩川右岸)で,1,500m以上の深度を有している。

・新第三系最上部の当別層(西野層)基底面の平面形状は,基本的に第四系基底と同様な形状を示す。最深部は第四系基底面の最深部よりやや南(石狩川左岸)に位置し,2,500m以上の深度を有している。