2−4−3 重力探査

岡(1997)は図2−26に示すように,石狩低地帯が全体として低重力域となり,周囲の札幌西南山地・樺戸山地・石狩炭田地域などが高重力域であることと対照的であること,石狩低地帯の中では,苫小牧・長沼地域,岩見沢西部,札幌東部・当別町地域が相対的な低重力域をなすことが注目されるとしている。

駒澤ほか(1998a)は図2−27に示すように,研究各機関,大学,民間企業などの協力を得て日本列島全域にわたり重力データの収集・編集を実施し,札幌地域においても約25,000点の重力データを統一規格で編集し,20万分の1札幌地域重力図(ブーゲー異常)を作成した。駒澤ほか(1998b)は,留萌市−秩父別町−妹背牛町−滝川市−美唄市−砂川市−岩見沢市−江別市−石狩市をとおる低地帯は,このブーゲー異常図に現れている低重力異常域に対応し,低地帯内でも局所的な低重力異常(例えば,札幌市の北東10kmなど)は沖積層や洪積層が厚いためと指摘している。