(3)2次元地質断面の作成

上記の断層モデル、堆積層構造、基盤岩深度分布などを統合して、東西方向の2次元地質断面図を作成する。断面の方向を東西としたのは、大阪平野の大局的な地質構造が、生駒断層や上町断層などの南北性の断層系であるためである。作成した地質断面モデルの例を図5−13に示す。

2次元地質断面図における地質区分は、基盤岩上面、大阪層群中の海成粘土層のMa−1、Ma3、Ma10に相当する地質層準を境界面とした。さらに、大阪層群の下半部における堆積基準面として、第三紀と第四紀の境界付近とされる福田火山灰(約175万年前)の堆積面を設定した。なお、これらの大阪層群中の海成粘土層Ma−1、Ma3、Ma10は、それぞれ120、85、30万年前ごろに堆積した地層と推定されている。大阪平野の大阪層群がおおむね等速度で継続的に堆積したものと仮定して、これらの海成粘土相当層の深度と堆積年代の関係を補間及び補外して、各地点の任意の深度における大阪層群の堆積年代を推定した。

図5−13 2次元地質断面図