(2)断層構造の推定とこれに基づくモデル領域のブロック分割

モデルの作成に際しては、まず大阪平野地域の断層構造モデルの推定を行うが、断層の深部構造に関する情報は非常に限られている。実際、各断層系はいくつかのセグメントに分かれ、傾斜角も各々のセグメントで異なっており、また表層部では細かく分岐しているものと推定されるが、このような詳細な情報はほとんど得られていない。そこで、各断層系の情報を整理し、それぞれ傾斜角が一定で滑らかな1枚の断層面として取り扱うことにしている。これらにより得られた断層面によって、大阪盆地は概略的にいくつかのブロックに分割される。ただしこの分割は、他の断層に接することなく終焉する断層なども多いため、完全な分割にはなっていない。そこで一部の断層を強制的に延長し、モデル領域を図5−12に示すように16のブロックに分割した。この強制的に延長した部分は、落差を伴わないブロック境界と考えれば、以後の作業では特に支障とはならない。表5−1にブロック境界とした断層モデルをまとめて示す。なお、地下構造調査の結果を受けて、生駒断層ー枚方断層、桜川―住之江撓曲など、一部の断層位置の修正した。

表5−1 ブロック境界断層一覧表

図5−12 重力による基盤岩深度とブロック分割

黒線が境界とした断層位置、赤線は地下構造調査によって実施された測線位置、赤×は関西地震観測協議会による地震観測点。