5−2 大阪湾岸部における地質構造の検討

先述した大阪湾岸第1・第2測線のCMP750付近において、基盤岩の上面に約400mの鉛直落差が推定されたが、その連続性について以下に検討を加える。

この地域におけるおもな既存の地質データは、図5−6に示す堺泉北測線と図5−7の堺築港南北測線がある。

図5−6 堺泉北測線地質解釈断面図および位置図

図5−7 堺築港南北測線地質解釈断面図

一方、丘陵地域における地表地質情報をもとに、広域火山灰のアズキ火山灰をはさむ大阪層群のMa3の深度分布を示した断面が図5−8である。また、図には上に示した既存資料などより得られている基盤岩深度を併記している。

この図に示されるように、大阪湾岸第1・第2測線(CMP750付近)に推定された基盤岩落差は、その連続性が明確でなく、周辺の基盤岩深度分布においても特異的に深い構造となっている。また、丘陵地域から追跡されるMa3の傾斜の傾向においても、図5−8のC−C’断面に示されるように、やや異質な構造となり、現有の地質情報ではその連続性を含めて、この地質構造の特性が明確でない。その詳細に関しては、海域を含めた当該地域における新たな地質情報の追加が望まれる。

図5−8 大阪湾岸南部地域における地質構造検討図