5−1−2 反射面の対比

上述したように、大阪湾岸第1・第2測線のCMP750付近には、基盤岩上面に約400mの鉛直落差が推定された。この構造をまたいだ堆積層(大阪層群)の反射面の連続性について以下に検討を加える。

図5−3(1)は大阪湾岸第1・第2測線のCMP1〜1500において、発震点から受振点までの距離が等しい記録のみを選んでプロットしたオフセットパネルを示した図であり、各種のデータ処理が行われていない、ほとんど測定データに近い記録を示している。

図5−3 大阪湾岸第1・第2測線におけるオフセットパネル図

図5−3(2)に示すように、CMP700とCMP1000においては、時間軸を約170msecシフトすることによってほとんど連続した反射記録となっている。これより、CMP750付近に推定される基盤岩の鉛直落差は、時間軸において約170msecと推定され、この構造の両側においてそれぞれの反射面が連続する可能性のあることを示すものである。

また、大阪湾岸第1・第2測線において反射面の連続が明確でない、上述のCMP750およびCMP1050付近の時間断面図における反射面の連続性を示した図が図5−4である。この図に示されるように、いずれの区間においても反射面は良好な連続性を示していると判断され、CMP750とCMP1050をまたいで両側の反射面が図示したように対比される可能性のあることが指摘される。

図5−4 大阪湾岸第1・第2測線時間断面図における反射面の連続性

これらの反射面の追跡と、これまでに行われた既存の反射法探査断面における地質対比の結果などをもとに、本年度に実施した各探査測線における反射面の地質層準を下記のように推定して対比を行った。

なお、八尾測線は測線付近に反射法探査やボーリングなどの既存の地質資料がないため、反射断面から推定される基盤岩上面の構造を示すのみであり、反射面の地質対比は実施していない。