(1)大阪湾岸第1・第2測線

平成16年度に実施した測線は図5−1に示した大阪湾岸第1測線であるが、平成15年度には、この測線の南部に連続する大阪湾岸第2測線において同様の探査を実施している。以下では、これら2測線を接合した地質解釈断面として、その特徴を以下にまとめる。

基盤岩は、測線の南部では大きな起伏を伴いながら深くなり、最深部のCMP700付近では深度1800mに達すると推定される。測線南端のさらに約500m南部では、温泉ボーリングによって深度1064mに基盤岩が確認されていることより、探査結果と整合する結果となっている。

CMP400付近を頂部とする起伏は、基盤岩上位の堆積層に対応する反射面に対しても変形を与えていることが明らかである。この構造は、探査断面では基盤岩の上面に断層のような不連続が認められず、基盤岩か、あるいは基盤岩とは異なる岩体が盛り上がるような形状をなしている。また、CMP750付近を境として基盤岩深度に約400mの鉛直落差が推定され、探査断面において北側が上昇した構造の存在する可能性があるが、従来の地形地質情報では明確に指摘されていない構造である。この地質構造をまたいだ反射面の連続性については後述する。

CMP1050付近、およびCMP1500〜1900付近においても上位の堆積層を変形させるような基盤岩の構造が推定される。とくに、CMP1800付近に見られる構造は、従来より指摘されていた上町断層系の住之江撓曲に対応する構造である。また、測線の北端部は、図5−1に示したように桜川撓曲の延長部にあたる。しかし、図5−2−1に示されるように、反射断面に明確な構造が見られないことより、桜川撓曲は、大阪湾岸部まで連続していないことが明らかとなった。

図5−2−1大阪湾岸第1・第2測線地質解釈断面図