(2)発震テスト

本測定に先立ち、発震テストを行った。これにより収録記録長、標準垂直重合数(スタック回数;SN比向上のための同一地点における発震回数)、スイープ周波数やスイープ長等を決定した。なお、本調査においては、大深度の調査が可能で、環境への影響が少ないバイブレータを震源とするバイブロサイス法を用いたが、バイブレータの進入が困難な狭い道路については、パルス波形を発生させる油圧インパクターを補助震源として用いた。

バイブロサイス法の原理を図4−8に示すと共に、以下に特徴を記す。

a) バイブレータで低い周波数から高い周波数まで徐々に周波数が遷移する波形で発震する(図4−8中の@、以下「スイープ」という)。なお、時間的に周波数が変化する波を発生させるのは、後述する相互相関処理により、波の伝播時間を特定するためである。また、発生させた波を随時観測することによりフィードバックを行い、発生波の速度振幅が一定となるように制御する。

b) 反射波は図4−8中のBからDに示すように、ダイナマイトなどのパルス震源と異なり、震源波形の初動時刻・振幅・位相をずらした波形となる。従って測定波形は図4−8中のAに示すように、各地層境界からの反射波を重ね合わせた複雑な波形となる。

c) 規定回数の発震後、震源波形(図4−8中の@)と測定波形(図4−8中のA)の相互相関を求める(図4−8中のE)。相互相関処理結果は、ダイナマイトなどのパルス震源を用いた測定記録と等価なものとなる。

なお、バイブロサイスの特徴として、

a) 発震エネルギーが大きい。

b) 低いエネルギーレベルの発震を時間的に継続して行い、総発震エネルギーを高める発震方法であるため、環境への影響を許容値以下に制御することが原理的には可能で、一般的に環境への影響が少ない。

c) スイープ周波数範囲を選択できるため、所望の周波数帯域の測定が可能である。

d) 震源であるバイブレータは一般に移動性に優れており、作業効率が高い。ただし、やや車両サイズが大きく(全長8.16m、全幅2.45m)、進入可能な道路が限られる点が問題である。

図4−8 バイブロサイス法の原理