(2)断層構造の推定とこれに基づくモデル領域のブロック分割

モデルの作成に際しては,まず大阪平野地域の断層構造モデルの推定を行うが,断層の深部構造に関する情報は非常に限られている。実際,各断層系はいくつかのセグメントに分かれ,傾斜角も各々のセグメントで異なっており,また表層部では細かく分岐しているものと推定されるが,このような詳細な情報はほとんど得られていない。そこで,各断層系の情報を整理し,それぞれ傾斜角が一定で滑らかな1枚の断層面として取り扱うことにしている。これらにより得られた断層面によって,大阪平野は概略的にいくつかのブロックに分割される。ただしこの分割は,他の断層に接することなく終焉する断層なども多いため,完全な分割にはなっていない。そこで一部の断層を強制的に延長し,モデル領域を図6−11に示す8ブロックに分割できるように断層構造モデルを修正した。この強制的に延長した部分は,落差を伴わないブロック境界と考えれば,以後の作業では特に支障とはならない。表6−2にブロック境界とした断層モデルをまとめて示す。

表6−2 ブロック境界断層一覧表

図6−11 ブロック分割図