6−4 上町断層の活動性

大和川南測線の西部においては上町断層が確認されている。反射面の特徴や既存の深層ボーリング情報などをもとに、反射深度断面の地質対比を実施した。その結果は先述したとおりであるが、それをもとに、上町断層の鉛直落差を推定し、断層の活動性に関して、若干の検討を加えた。その結果を図6−9に示す。

図6−9 大和川南測線における上町断層の活動性

図に示されるように、各地質層準においてややばらつきはあるが、断層の鉛直成分における平均変位速度は、おおむね0.2m/1000年程度となる。地震調査研究推進本部より公表された上町断層の平均的な上下変位速度値:約0.4m/1000年と、当調査地域が上町断層帯の南端部に近い条件を考慮すると、おおむね整合した結果と考えられる。