4−3 データ処理結果

収録記録のデータ処理及び解析は、CMP重合法を中心とする、先の図4−13に示したフローを基本として実施した。各処理で採用した主なパラメータをまとめて表4−6に示す。なお、データ取得及び処理の詳細については[4.2探査方法]にまとめて示した。

代表的な処理の結果等として、デコンボリューションテストの結果を図4−21−1図4−21−2に、静補正算出のために実施した屈折波を用いたトモグラフィの解析結果の表層速度分布を図4−22−1図4−22−2に、CMP重合のために実施した速度解析結果を図4−23−1図4−23−2にそれぞれ示す。

また、収録からNMO補正までの主な処理後の波形記録例を図4−24−1図4−24−2に示す。

なお、データ取得及び処理過程における特記事項を以下に列記する。

測定前:大和川南測線における国道165号は交通量が多く、道路使用許可の申請に際して、所轄警察署より交通渋滞及び事故発生回避のため、昼間作業を避ける旨の指導を受け、夜間作業において実施した。

測定時:測定は、道路あるいは歩道端に受振器(地震計)を最大約7km区間(併せて実施した屈折法地震探査の測定のため)にわたって設置して行った。設置中においては、パイロン等で作業機材を明示するとともに、作業員の巡回によって機材及び通行人に対する安全の確保に努めた。

測点番号380から580の間(CMP番号450から800付近に相当)で発振及び受振した記録は、品質の低いデータとなった。これは主に地下埋設物(φ1000以上の複数本の工業用水管)の影響と考えられる。

表4−6 データ処理に使用した主なパラメータ

図4−21−1 デコンボリューションテスト結果例(大和川南測線)

図4−21−2 デコンボリューションテスト結果例(大阪湾岸第2測線)

図4−22−1 屈折波を用いたトモグラフィにより算出した表層P波速度分布(大和川南測線)

図4−22−2 屈折波を用いたトモグラフィにより算出した表層P波速度分布(大阪湾岸第2測線)

図4−23−1 速度解析結果(大和川南測線)

図4−23−2 速度解析結果(大阪湾岸第2測線)

図4−24−1 主な処理後の波形記録例(大和川南測線)

図4−24−2 主な処理後の波形記録例(大阪湾岸第2測線)