3−6 屈折法探査データ

地盤物性のひとつである基盤岩の弾性波速度に関する情報は、反射法探査では求められない。そこで大阪平野では、これまでに実施された屈折法探査結果が有用な情報となる。

図3−9は1988年に大阪北港と河内長野市において実施された3回の大発破による人工地震観測記録をもとに解析した屈折法探査結果を整理したものである。図に示すように、推定された地盤構造は必ずしも詳細なものではないが、基盤岩構造の大局的な形状や、基盤岩のP波速度が得られており、基盤岩の物性値の設定に対する目安となる。

また、各解析結果における地盤のP波速度は、表3−5にまとめて示すとおりであり、それぞれの結果によってやや異なるが、基盤岩のP波速度はおおむね5400〜5800m/sとなり、後述する深層ボーリングによる物理検層結果とおおむね整合する。

図3−9 大阪平野における既存の屈折法探査結果

表3−5 屈折法探査から求められた基盤岩のP波速度