5−3 3次元地盤モデルの作成に対する重力探査の有効性

大阪平野の基盤岩構造は、既存の反射法探査や重力探査などに基づいて、産業技術研究所によって図5−15に示されるように推定されている。

図5−15 重力探査結果より推定される大阪平野の基盤岩構造

しかし、図中に示すように微動アレイ探査より推定されるS波速度3km/s以上の基盤岩深度とは、必ずしも整合しない部分が見られる。とくに、有馬高槻断層帯南側の地域(R)、千里丘陵(Q)、大和川南部(I)などである。これらの原因としては、局所的に急変する基盤岩構造(R)や、基盤岩上に局部的に分布する第三紀層(Q)などが影響している可能性が高い。また、大和川南部(I)においては、花崗岩とは異なる地質体が分布する可能性があるが、その詳細に関しては不明である。

図5−15に示した基盤岩深度分布と、本年度の反射法探査によって得られた基盤岩深度構造を比較すると、図5−16のとおりである。

図5−16 反射法探査結果と重力探査より推定された基盤岩深度構造

図5−16に示すように、局部的な基盤岩の急変構造や高槻測線の東端部を除いて、それぞれの基盤岩深度はおおむね一致していることより、重力探査結果より推定される基盤岩深度の2次元平面分布は、精度良く求められていることがわかる。