5−1−1 枚方測線

枚方丘陵地域を最深部として、男山丘陵と枚方丘陵西部にかけて基盤岩が浅くなる盆地状の構造が明らかである。男山丘陵部には基盤岩の高まりが確認され、最も浅い部分での基盤岩深度は約200mと推定される。また、丘陵の東縁には鉛直落差約200mの断層が確認され、断層東側の基盤岩深度は約700mと推定される。

男山丘陵から西側にかけては、基盤岩が急激に深くなり、枚方地域における最深部の基盤岩深度は約800mと推定され、重力探査結果より推定された最深部の基盤岩深度とほぼ整合する。男山丘陵の西縁に推定されている田口断層に対応する断層構造は反射法探査断面においては明確でなく、基盤岩上面が西側へ傾斜する傾向として把握されたが、その原因としては、探査測線が断層線上に設定されたためと考えられる。しかし、反射面の追跡より、断層による大阪層群の海成粘土層Ma4の鉛直落差は約60mと推定されるが、その確認のためには、断層に直交する測線による反射法探査の実施が必要である。

測線の中央付近から西側にかけて基盤岩深度は緩やかに浅くなり、測線西部の最浅部では約300mとなる。測線の西端部には枚方撓曲に対応する断層が認められ、その鉛直落差は約450mと推定される。断層下盤側の基盤岩深度は700〜900mと推定され、中川ほか(1994)が指摘していた基盤岩深度とおおむね一致する。

測線の中央付近(CMP720〜770付近)には、基盤岩の上面に約100mの鉛直落差を有する西側隆起の断層が見られ、上位の堆積層に累積性のある変形が確認されることより、この断層が活断層である可能性が高い。