調査地付近の地質構造概略図を図3.5.2.1に示し、代表的な地質断面図を図3.5.2.2と図3.5.2.3に示す。
調査地付近には、ほぼ北北西−南南東・北西−南東・北東−南西系の断層・撓曲・褶曲がみられる。
高舘地域と岩沼地域の境界付近には、北北西−南南東方向の双葉断層の延長部があり、断層の東側に鮮新統が分布している。断層の西側には樽水背斜と称されているホルスト構造がみられ、さらにその西側には高舘グラーベンと称されている基盤沈降部がある。
高舘地域の北側、仙台地域付近には、北西−南東方向の撓曲帯である鈎取−奥武士線と、仙台平野とその西側の丘陵地の境界をなす北東−南西方向の推定断層:長町−利府線がある。長町−利府線の北側には、北部では番ヶ森山背斜と宮城野撓曲帯が並行し、南部では鹿落坂断層・大年寺断層が並行している。長町−利府線を境にして、第四系を含む近傍の地層には相対的に北西側が上がる変位・変形が見られる。
また、仙台地域の西側、秋保・愛子地域には、中新世に形成された白沢カルデラと称されている基盤陥没構造がみられる。