(3)三次元地下構造モデル

今回、伊勢平野の地質情報、重力異常値、物理探査データ等の地下構造調査結果を総合的に解析し、三次元速度構造モデルを構築した。作成した三次元モデルを用い、震源過程が比較的単純であると考えられる中小地震の地震波シミュレーション(一次元および三次元)を行い、観測波形と比較・検討した。周期2秒以上の周期帯域に対して、三次元シミュレーションで得られた理論波形は、S波後の後続波部分を再現できていない観測点があるものの、ほとんどの観測点では、観測波形との振幅の違いが、例えば、50%〜200%の範囲で、よく一致していた。従って、今回構築した三次元モデルは、現時点で最良のモデルの一つであると言え、現実的な地震動予測作業に適した精度を有していると考えられる。