(1)堆積層のモデル化の違いによる地震動スペクトルの比較

図3−4−33には、四日市観測点(MIE003)に対して、

・ モデル1:すべての層をモデル化した場合のスペクトルの例

・ モデル2:表層を除いてモデル化した場合のスペクトルの例

・ モデル3:表層のみをモデル化した場合のスペクトルの例

を示す。モデル3から、表層地盤の固有周期は1秒弱であるとわかる。前述したように、表層については、いずれの地点も表層地盤(N値50未満)の固有周期は、1.5秒未満であり、周期2秒より高周波側では表層地盤の効果が大きいと考えられる。今回の、地震動の地域の違いに関する考察は、震源スペクトルが有効であり、主に深部地下構造の増幅効果を反映する、2〜10秒のやや長周期帯を比較対象としている。なお、長周期帯域の増幅スペクトルは、ほとんど浅部地盤モデルに影響を受けないことが、図3−4−33(モデル1とモデル2の比較)から読み取れる。