(3)基盤上面深度

以下の既存資料を用いて推定した(図3−3−6)。

・ 深層ボーリング解釈結果(基盤岩上面深度)

・ 防災科技研観測井による基盤上面深度

・ 反射法による基盤上面深度

・ 微動アレーの解釈結果

・ 濃尾平野の結果(愛知県、2003)

・ 三河平野の結果(愛知県、2005)

また、基盤岩が露出している部分は深度0として与えた。

得られた結果を図3−3−7に示した。 

図3−3−8−1には残差重力を用いて(3.2.10)式により計算された基盤上面深度を示す。この結果は、単に重力の関係式のみから計算しているため、実際と異なる部分がある。そこで、この基盤深度と既存地点(コントロールポイント)での基盤上面深度の差を計算し、その分布を求めた(図3−3−8−2)。図3−3−8−3には重力と基盤深度の関係のみから得られた基盤上面深度に既存地点(コントロールポイント)での差の分布を加えた結果を示す。これを重力と基盤の関係を加味した基盤上面深度とする。図3−3−9には2種類の方法によって得られた基盤上面深度を比較した。伊勢平野内、伊勢湾内ともにコントロールポイント(既存地点)が面的に均等に分布しているため、両者の違いはほとんどないが、重力を加味した推定結果は、津市から一志町にかけての低重力異常(図3−3−9(b)に赤い点線で示した部分)が反映された形となっている。既存資料(平成14年度調査結果)との比較を図3−3−10に示した。伊勢平野内では、基盤上面は1500m〜2000m程度であるが、鈴鹿東縁断層系を境に急激に浅くなり地表に露出する。伊勢湾内においては、伊勢湾断層、白子−野間断層などに対応する位置での基盤の変化が捉えられている。

以上の結果を標高値に換算し、図3−3−11にまとめて示した。