(5)ボーリングデータを用いた浅部構造の推定の試み

白子−野間断層とLine−1で捉えられた断層との関係を推定する目的で、ボーリング柱状図を用いて、反射法測線より東側の極浅部の形状の推定を試みた。ここでは以下の資料を用いた。

@ 伊勢湾南部臨海地帯の地盤(建設省計画局ほか、1962b)に記載されているボーリング柱状図(図3−2−10△印)

A 津市地盤地質調査報告書(津市、1980)に記載されているボーリング柱状図(図3−2−10○印)

B 三重県ボーリングデータベース(図3−2−10□印)

異なる調査結果を引用するため、各柱状図に記載されている上部粘土層(UC)および下部粘土層(LC)の解釈がほぼ一致していることを確認した(別添9参照)。図3−2−10には、各ボーリング柱状図から読み取ったUC上面深度を深度によって色分けして示した。図3−2−11にはLC上面深度を示した。図3−2−12には、海岸線から約1km以内のボーリング柱状図の解釈結果を図3−2−12(a)に示した投影測線に沿って示した。図3−2−12(b)には距離2000m付近および距離12000m付近に変化が見られるが、これらは、それぞれ、千里断層および高茶屋断層の影響の可能性が大きい。白子−野間断層の延長部付近に相当する距離9000−10000m付近では、下部粘土層および上部粘土層の明瞭な変化は認められず、浅部の断層位置の特定は困難である。