(3)Line−1A,Line−1B副測線P波反射法

活断層詳細デジタルマップ等に記載されているほぼ南北の走向を持つ千里断層近辺(河芸町千里付近)及び、津市一身田地区付近の推定断層の浅部構造を把握するため、2本の短い副測線を設け、テスト的に反射法地震探査を実施した。前者は国道23号線を東端として、河芸町田中川左岸に設定した約1.1kmの測線Line−1Bである。後者は津市栗真中山町集落の西側から横川を渡り、西側に延びる約750mの測線Line−1Aである。

得られた記録に反射法の標準処理を行い、重合記録(図3−2−5−1図3−2−6−1)、深度記録(図3−2−5−2図3−2−6−2)を得た。測線長が短いためマイグレーション処理は行っていない。それぞれLine1との対比と解釈図を、図3−2−5−3および図3−2−6−3に示す。以下にその概要を示す。

・ Line−1A: 交差する主測線Line−1で確認された基盤上面と思われる約1.1秒(約1.4km)までの各反射面に対応する各反射面が得られている。特に、0.8秒(約0.9km)付近までは、記録の質の高い東下がりの反射波が得られており、活断層詳細デジタルマップの記載と整合的である。

・ Line−1B: Line1Aと同様に主測線と同様の反射波のパターンが確認できた。大まかには東下がりの傾向を示すが、測線中央若干西側のCDP50付近で向斜傾向を示し、CDP15で背斜の傾向を示す。測線東端では東に向かって下がって行く傾向を示しており、千里断層の記載と整合的である。