(1)短周期および及びやや長周期の微動による卓越周期分布

今岡(2001)によると、三重県内で観測された82点(図3−1−4)の微動観測の解析結果から、伊勢平野ではH/Vスペクトルと水平動スペクトルの卓越周期はよく一致しており、微動の卓越周期は、表層地質が中新統以前で岩盤までの深さが浅いと思われる山間地では0.2秒以下と非常に短いのに対し、伊勢平野では、卓越周期が3〜5秒程度と長くなっている。また、微動の平均H/V値は、表層地質が柔らかくなるにつれて増大し、伊勢平野と上野盆地では、沖積層で1.6以上、丘陵地や台地で1.4〜1.6となる。