3−2−3 観測点配置

本調査では、伊勢平野全域のS波速度構造を把握するために、平野全域にほぼ均等に観測点を15点配置した。ただし、地震基盤(S波速度3km/s相当)の深度が2,000m以上と推定されている四日市市周辺においては、観測点を密に配置した。また、Aのアレー設計および現地状況を考慮し、最大アレーの底辺長を3,500m(以下LLアレーと称す)とし、以下850m(Lアレー)、350m(Mアレー)、100m(Sアレー)の底辺長のアレーを設定した(表3−2−2)。

観測には、7台の微動計を使用し、観測点の配置は二重正三角形アレーとした(図3−2−8)。図3−2−9に観測点配置図を、表3−2−3にMアレーの中心点の緯度、経度を示し、巻末資料に各観測点の詳細配置図を示した。

観測地点は、原則として下記の3つの条件を満たす候補地点を地図上で選定し、現地踏査の上で決定した。なお、Sアレーの中心地点では、後述する地盤モデルの検証においてH/Vスペクトル算定のために、上下動に加え、水平動直交2成分(N−S,E−W方向)の3成分観測を行った。

・ 地表面の起伏が激しくなく、水平成層構造の仮定が著しく破綻しない箇所

・ 近傍に人工的な強い振動源がなく、常時微動が特定の伝播方向を持たないと思われる箇所

・ 断層等の地下構造の急変が推定される箇所をできるだけアレー内に含まない

図3−2−8 4種類のアレー配置図

表3−2−2 使用したアレーの大きさ

図3−2−9 観測点配置図(赤線は活断層の位置を示す)

表3−2−3 微動アレー観測地点一覧