2−2−1 基盤岩

調査地域の地下に分布する基盤岩は,京都盆地を取り囲む山地に広く見られる丹波層群と呼ばれる中生代の堆積岩からなる。ボーリング調査では,深度694.5mに基盤岩が確認され,岩種はおもに頁岩,チャートなどである。全体的には黒色頁岩が優勢であり,部分的に砂岩や珪質頁岩をレンズ状あるいはブロック状にはさむが,深度719〜733m間は主にチャートで構成される。また,深度798.6〜800mに見られる岩石は,岩石薄片の顕微鏡観察より(巻末資料−3,参照),丹波層群に貫入した安山岩と推定される。

コアは全体に硬質であるが,亀裂が発達して採取コア長が50cmを超えることは少ない。亀裂が著しく発達する部分は角礫状コアや岩片状コアとして採取され,岩盤コアの大部分がこれにあたり,むしろ円柱状のコアは少ない。また,破砕作用によって脆弱化したと考えられる粘土状あるいは角礫状のコアが見られ,最も厚い部分で50cm程度である。このような脆弱部は,黒色頁岩で多く見られる。

なお,堆積構造は明瞭でなく層理面が確認できるところはほとんど見られない。

写真2−4 頁岩 [深度:702〜705m間]

写真2−5 破砕された頁岩 [深度:699〜702m間]

写真2−6 チャート [深度:312〜315m間]