2−5−1 五条測線

@鴨川以東の測線東部を除けば、基盤岩上面は測線中央付近を最深部として比較的なだらかな船底型の形状を示し、堆積層は基盤岩上面とほぼ平行に分布する。

A鴨川付近において基盤岩に約50mの落差をもつ断層が推定され,東大路通り東側や七本松通り付近にも基盤岩の上面に落差が見られる。東大路通りの東側に見られる基盤岩の落差は,地表で確認されている桃山断層系に相当する。

B桂川直下付近の堆積層に、西上がりの緩やかな撓みが見られるが,基盤岩の上面には明確な変形が認められず,この地層の撓みは西側隆起の緩やかな傾動に伴う変形と推定される。また,測線の西端には地表地質分布より樫原断層の存在することが予想されたが,探査結果ではこの断層に対応する構造は認められず,測線西端における基盤岩深度は約200mと推定される。これより、樫原断層は測線終端のさらに西側に位置すると考えられる。

C反射面は測線の東側ではあまり明瞭でなく,西側に向かって明瞭になる傾向がある。これまでの地下構造調査より京都盆地においては、反射面は砂礫が優勢な堆積層では不明瞭となり、砂・粘土互層においては明瞭になる傾向が見られている。これより、この断面に見られる反射面の特徴は,測線の東側においては砂礫が優勢な堆積層が分布すると推定される。