9−3−3 3次元物性値モデル

以上の方法で,盆地全域におけるP波速度の3次元分布の推定を行い,ついでGassmann式を用いてP波速度からS波速度値および密度値が推定して,3次元物性値モデルを作成した。推定した物性値分布の一例を2次元断面図に表示して図9−10に示す。

ただし,この物性値モデルでは基盤岩中に置ける破砕帯の位置や形状に関する情報がないため,破砕帯による基盤岩の物性値の低下は考慮できておらず,断層の存在すると思われる位置でも一様な速度分布とした。

 なお,Q値については特に決定できる調査結果がないため,S波速度の1/20を目安として周波数に依存しない一定のQ値とした。

今後3次元的な地震観測が行われ,Q値が正確に推測できることを期待したい。