8−1−1 反射法および屈折法探査結果

P波による反射法および屈折法地震探査より,丸太町通りと五条通り沿いの基盤岩形状や堆積構造などが明らかとなり,また大阪層群を主とする堆積層や丹波層群よりなる基盤岩のP波速度が推定された。それぞれの探査測線の東部では基盤岩の上面に落差を伴う断層構造が確認され,丸太町測線については花折断層,五条測線については桃山断層などが,それぞれの測線まで延長している可能性のあることが確認された。また,これらの断層以外にも,丸太町測線の御所付近や五条測線の西部において基盤岩上面に小規模な落差が推定され,盆地下にはこれまでに知られていない伏在断層の潜在する可能性がある。

基盤岩深度は丸太町測線では堀川通りとの交差部付近で最も深く約200mとなり,それを境に東側および西側にかけて緩やかに浅くなる。また,五条測線では測線の西部で最も深く約300mを示し東部にかけて浅くなる傾向が認められた。

屈折法探査により基盤岩におけるP波速度の推定が推定され,速度分布が基盤岩上面で3000〜4000m/sec程度を,深部においては5000m/sec以上の値を示した。また,反射法探査で確認された丸太町測線の花折断層と五条測線の桃山断層に相当すると思われる部分では,周辺の部分に比べてP波速度の遅い結果を示した。