6−4−2 探査方法

現場における測定は地表震源のPS検層とほぼ同じで、地表で起震し孔中の所定の深度に設置された受震器で受震を行う。おもな相違点は、PS検層の場合は観測波形の初動データのみを利用するのに対し、VSP探査では後続の反射記録にも注目することである。

そのため、反射波がよく見えるように震源の位置に若干のオフセットを与えることが多い。

今回の調査でも、震源の位置は孔の位置から25m離した地点とした。

図6−4にVSP探査における反射波の概念図を示す。

以下に探査の諸元を示す。

・測定深度:ケーシング深度(23m)から孔底(340m)まで

・受震点間隔:5.0m

・重合数:3〜10回

・サンプリング間隔:0.1ミリ秒

・サンプリング時間:2秒

・震源オフセット:25m

<主な使用機材>

@地震計

・孔中:SAT(Schlumberger)

Schlumbergerが開発したVSP計測用のツール。正式名称はSeismic Acquisition Toolという。一つのツールの中には3成分の受震器がセットされている。

・直径:10.16cm

・固有周期:25Hz

・地表:LH40A(Mark Products)

・固有周期:60Hz

A探鉱機

・MAXIS500(Schlumberger)

ボーリング孔の計測用に作られたシステムで、ワィヤーの先端の測定ツールを適宜組み合わせ・変更することにより、弾性波、密度、電気など様々な測定を同時に行うことが可能である。なお、今調査のVSP探査では3成分受震器ツール(SAT)のみを取り付け計測した。

B震源

・油圧インパクター(JMI−200)

ガス圧で加速されたピストンでベースプレートを打撃する一種の重錐落下型震源装置を車載したもので、(株)地球科学総合研究所が開発した。

・油圧式大型S震源S波の起震に使用される板叩き法を油圧で制御できるように弊社が開発した。