6−4−1 探査概要

基準ボーリング孔KD−1(340m)を利用してP波およびS波VSP探査を行い、平成10年度に実施されたP波反射法探査と11年度のS波反射法探査の結果を検証した。

VSP(Vertical Seismic Profiling)探査とは、震源を地表に受震器を孔中に設置した反射法探査で、ボーリング地点における反射面の深度、反射面までの走時・各地層の弾性波速度などが得られる。

地表測線での反射法探査では、反射面がどの地層境界に対応しているかを正確に把握することは難しいのに対し、VSP探査では

@ボーリング孔の地質区分が既知であるため、反射面との対比が行える。

A反射法探査の速度は速度解析結果によるものであり、推定された速度は統計量であるため若干の誤差を含んでいるのに対し、VSP探査では記録が良好である限り初動データから孔沿いの速度を直接求めることができる。

B受震器を反射面近傍に設置できるため、反射法探査に比べ高い分解能を持つ反射記録を得ることができる。

という特徴があるためVSP探査は、地表測線における反射法探査と併せて実施されることが多い。