2−1−1 調査位置

 本調査は、川崎市高津区から川崎市川崎区に至る、北西−南東方向の展開長約17kmの測線を設定し、バイブロサイス反射法調査(P波反射法)を実施するものである。本年度の調査測線は、平成7年度の川崎市「立川断層に関する調査」測線(東京都世田谷区から川崎市を経て横浜市緑区に至る展開長約20km、RP25)とRP22で交差でする。

 現地調査は、平成12年9月16日から9月27日の期間に、現地調査(測量作業を除く)を実施した。なお、屈折波の測定作業は、9月20日の夜間から翌日早朝(23:00〜5:00)にかけて行った。

 図2−1に調査地域図を示す。この図は、国土地理院発行の1/20万の地形図上に、

 *既存ボーリング位置(鈴木,1985,1996;防災科技研,1999)
 *既存地震探査測線(小林,ほか,1985;浅野,ほか,1991,1992;山水,ほか,1995;川崎市,1996;川崎市,1999;横浜市,2000;横浜市,2001)
 *重力異常図(駒澤,1985)
 *活断層(活断層研究会,1991)

を重ね合わせたものである。

 本調査測線は、図2−2に示す様に、神奈川県川崎市に位置する。平成7、10年度川崎市による反射法測線も記載してある。また、同図には本調査のCDP重合測線も重ね書きしている。

 反射法地震探査のデータ取得場所は、調査測線図に示されるように、測線西側は多摩川沿いであり、測線東側は都市部の道路沿いで人家等は密である。この測線は、大型の非爆薬人工震源バイブロサイス4台を震源として用いた。観測地の標高は0〜10mで、標高差は小さい。

 作業は、通常の反射法探査データ取得作業(図2−3(a)参照)、すなわち、
  ・測線測量
  ・受振器、本線ケーブルの敷設
  ・震源車による発震、計測

の手順で順調に進み、データ取得作業を完了した。なお、測線上に設置された受振器で取得された反射波データはGDAPS−3型探鉱機によって記録された(図2−4参照)。