(6)タイムターム法

全ての屈折記録に対して、改良型タイムターム法による屈折初動解析を行ない、比較的深部までの速度構造に対する検討を実施した。

全ての発震記録から読み取った初動時刻を観測値として、発震点・受振点におけるタイムタームおよび第2層、第3層、第4層速度を未知数とするインバージョンを測線毎に実施した。

以下の条件でインバージョンをおこなった。

表層構造             : 4層モデル

第1層速度            : 800m/s

第2層のブロックサイズ    : 30Location (約750m)

第3層のブロックサイズ    : 1ブロック

第4層のブロックサイズ    : 1ブロック

図3−10図3−11は、A、B測線それぞれのタイムターム、および、それから導かれた速度構造図である。これによると、基盤の速度は約4.2〜4.3 km/s(解析区間7〜21km)である。基盤より上位については、1.5〜2.5km/s層(解析区間0.05〜0.6km)と約3.0km/s層(解析区間2〜7km)が得られた。ただし、第2層の3.0km/s層については、堆積層の中間層にあたるため、平均的な速度を表していると考えられる。タイムタームから導かれた地下構造図によると、A測線では、基盤の形状は足柄平野中央付近で深くなるものの西端では急激に浅くなっていて、タイムターム値は、0.2〜0.7秒に分布する。一方、B測線の基盤はほぼフラットであり、タイムターム値は、0.5〜0.6秒である。なお、後述するように、最下層にあたる約4.9km/s層については、データが測線全域をカバーされていないため、タイムターム法からは求められていない。また、第2層は、反射法解析の際に静補正の目的で実施した表層構造解析と同一である。