9−2 やや長周期帯域における振動特性

解析に使用したのは、表9−1−2のうち新島・神津島近海(2000/07/15)、千葉県北東部(2000/06/03)および東京湾(1998/08/29)の3地震である。強震記録は、横浜市の高密度強震計ネットワーク(150点)、K−NET(14点)および神奈川県の震度情報観測施設(37点)で収録されたもので、全部で201観測点である。ただし、神奈川県の震度情報観測施設のうちの5点は震度情報のみで、波形データは収録していない。

深部地下構造の影響を見るために、強震記録に対して周期5s〜20sを通過帯域とするバンドパス・フィルタを施し、10秒間ごとの最大加速度をスナップ表示にして、やや長周期帯域における振動特性を調べた。最大加速度値は、水平動2成分の二乗和の平方根を各時刻で計算し、各時間ウィンドゥにおける最大値とした。

まず、各地震毎に、フィルタ処理前後の波形データの特徴について述べる。