9−2−3 東京湾(1998/08/29)

オリジナル強震記録を図9−2−5に、バンドパス・フィルタ後の波形データを図9−2−6に示す。また、各観測点の成分毎の最大加速度値と、フィルタ処理前後の最大加速度値の比(フィルタ後データ/オリジナル強震記録)を図9−2−7cに示す。

本地震はM5.1で、震源の深さは67kmである。今回取り上げた3地震のなかで最もマグニチュードが小さく、震源も深いが、川崎市および横浜市の近くで発生した地震である。

震央距離が小さいため、オリジナル記録での最大加速度値は3地震のなかで最も大きい。しかし、震源が深いためか、長周期成分の振幅はかなり小さく、他の2地震の1/10のオーダーである。とくに、横浜市の高密度強震計ネットワークでの振幅が、神奈川県の震度情報観測施設での振幅より小さく、他の2地震とは異なる現象を示している。

次に、バンドパス・フィルタ処理後の波形データから10秒間ごとの最大加速度を求め、スナップ表示にしてやや長周期帯域における振動特性を調べた結果について述べる。