4−7−3 強震観測点における検層結果

神奈川県内には、K−NETや横浜市の高密度強震計ネットワーク等の強震観測点がある。これらの観測点では、深度20m程度までの検層が行われている。

K−NETおよび横浜市の高密度強震計ネットワークの強震観測点では、PS検層が実施されており、K−NETの観測点ではそれに加えて密度検層が実施されている。これらの検層結果から、P波速度、S波速度および密度の間の関係を図にしたものを図4−7−2に示す。

概ねP波速度2.0km/s以下の範囲では、P波速度とS波速度、あるいはP波速度と密度との間には明瞭な相関関係は見られない。これは、とくに土砂区間において、P波速度値が土質(礫、砂、シルト、粘土等)によって変わるとともに、含水状態に大きく左右されるためであると考えられる。

一方、図4−7−2c に示したS波速度と密度の関係を見ると、P波速度と密度の関係よりも相関性がよいことがわかる。一般に、土質地盤ではS波速度と力学特性値との相関がよく、そのことを反映しているものと考えられる。