10−1 P波速度層と地質

本調査は、神奈川県東部から中部地域における地震基盤までの地下構造モデルを作成することを目的として実施した。

調査対象地域のほぼ全域をカバーする既存屈折法地震探査結果を見直すとともに、横浜市および川崎市による反射法地震探査結果、微動アレー探査結果との整合性の確認を行い、既存屈折法探査測線に沿ったP波速度構造断面を得た(図6−6参照)。その後、3次元タイムターム法および重力異常データの解析を行い、神奈川県の地下構造モデルを求めた(第7章)。

神奈川県における地下のP波速度構造は、概ね表10−1−1に示すように、5層に分割できる。一般に堆積層では、P波速度は深度(上載圧)、堆積年代、堆積環境に関係し、定性的には地質分布との対応が考えられる。神奈川県における地形・地質分布については第3章にまとめてあるが、以下では、各速度層と地質分布との対比を行う。